Webデザイン記事

優れたエクスペリエンスに大きく影響するUXライティング

正しいUXライティングのための実用的なガイド

Mako Mizuno

英語記事を翻訳し紹介しています。元の記事は読みたい場合は下記のリンクを確認ください。

https://blog.studio.design/posts/ux-writing/

UXライティングって何?

デザイナーは時として、ビジュアルを使用してユーザーを誘導することに依存している場合があります。魅力的なアイコンスタイルの作成、一貫性のあるの階層の確立、または明確な視覚的アフォーダンスを備えたUI要素のデザインなど、これらは私たちが行っているいくつかの方法です。媒体が何であっても、デザイナーはユーザーが目的を達成する方法と、なぜそうするべきなのか伝える責任があります。ユーザーが実行した行動の結果を、ユーザーが確実に理解できるようにする最善の方法は、UXライティングです。 UXライティングは、的確で専門用語を使用しないものであり、ユーザーエクスペリエンスの中で起きる曖昧で不満を感じる瞬間を取り除きます。従来のマーケティングコピーとは異なり、UXライティングは販売を促すものではありません。 主な目的は、特定の行動への価値、またその行動で得られる結果を伝えることです。あらゆる場所において重要視されるUXライティングの中でも、最も一般的なものは以下の4つです。

1. 状態管理

UI要素の状態管理の処理には、明確なエラー状態、成功状態を提供します。

2. ユーザーオンボーディング、またはアカウント作成

Intercomは、アカウント作成に関する明確なプロセス、分かりやすい情報によりユーザーを誘導しています。

3. フォーム / 購入完了

シカゴ美術館は、明確な価値の提供とフォームを入力することで得られるものへの期待を伝えています。

4. マルチステップユーザーフロー

Prose Hairは、個人に向けた質問の答えについてヒントを用意し、ユーザーを結果に導くための分かりやすいステップ提供しています。

それぞれの場合において、明確な文章はユーザーがタスクを完了するのにイライラを感じるのか、もしくは補助を感じるのかの違いです。UXライティングは、ユーザーがコンテンツを認識する方法の全体像であり、シームレスなユーザーエクスペリエンスを作成するための重要な要素です。デザインとライティングを一緒に行うことで、より説得力のあるデザインを生み、直感的なものを創造します。

リサーチから始める

デザインに使用される文章は、ブランドのトーンやイメージを損なうことなくユーザーを誘導するべきです。定性かつ定量的なリサーチは、この基盤を構築するための肝要な部分です。まず初めに、ユーザーについて、またユーザーの目的、そしてデザインが達成すべきビジネスゴールを理解します。デザインに着手する前に行うことで、どう文章を書きデザインするべきなのか、全体的な戦略を決めるのに役立ちます。 ユーザーインタビュー、アンケート調査、ユーザビリティテストなどのリサーチは、様々な洞察を得られる有益な方法です。ユーザーがデザインの中で迷う可能性のある場所、あるいは、曖昧であったり理解が困難なところを明確にするために必要な文章を知ることができます。これらのリサーチはプロジェクトの最後に行うのではなく、プロジェクト早期に実施し、デザインの初期段階では一定のポイントで繰り返し行うことが重要です。 これにより、デザインプロセスから大きく外れることがないため、デザイン決定が明確であるかどうかを確認する必要がありません。 特定のページのデザインやフローまたはセクションの早期リサーチを実施するための優れたツールは、 Helioです。このツールでは、ターゲットユーザーに対してA/Bテスト、アンケート調査を実施して、デザインが最適かどうかを確認することができます。文章のトーンに一貫性があるか、ユーザーが目的を達成するのに迷っていないかを知る手かがりになります。

Helioは、ライティングの定性かつ定量的な結果を素早く知ることができる優れたツールです。

ライティングを開始する前に、さまざまな形でリサーチを実施することで文章のトーンや配置が適切であるかどうか確認することができます。一貫した文章の明確な目的を維持するのにも役立つでしょう。

早めに書き、改善を行う

ライティングはできるだけ早くワイヤーフレームの段階には開始し、デザインシステムを定義するのと同様、繰り返し改善を行います。 特定の複雑な行動には、確固たるコピー戦略が必要となる可能性がありますが、他は単調かもしれません。いずれにせよ、プロセスの早い段階で書き始めるべきであることは違いありません。 すぐに始められる最初のステップは、デザインにダミーテキストを使用しないことです。 通常、ダミーテキストはプロセスの後になるまで置き換えられることはありません。しかしそれでは、ライティングについて話したり、修正やテストを行うことができません。実際のコピーテキストを使用してデザインすることで、プロジェクトメンバーは初期の段階から完成形により近い状態で作業を進めることができます。それによって正確さが増し、全体としてより効果的なデザインに繋がります。

Platforma 2のワイヤーフレームキットは、実際のコピーテキストに置き換えやすいダミーテキストが入ったテンプレートです。

ユーザージャーニーの各ステップに、適切なUXライティングを行うのはとても重要です。ツールチップやモーダルウィンドウ などのUI要素は、詳しい説明を必要とするときに役立ちます。一方で、マイクロコピーや説明的な見出し などの他の手法は、ユーザーにクリックして詳細を表示させることなく伝えることができます。これらの手法はすべて、有効な場合が異なるため、デザインに最適な方法を見つけるには試すことが大切です。

テスト、そして繰り返す

デザインが公開されたら、テストと改善を繰り返し続けます。定量分析は、テキストの追加を必要とする重要な箇所を明確にし、多くのユーザーが迷っている傾向の高い場所を特定するのに役立ちます。またこれにより、グローバルデザインやマイクロコピーについて考え始めることにも繋がります。さらには、特定のコピーがユーザーに誤解を招いていないか、またコピーを書き換える、新しいものを追加するの方が好ましいのかを判断することもできます。そのためにまずは、よりシンプルにデザインにコピーを配置する、もしくはより魅力的に配置するかを決めることです。 DropboxのUXライターであるJohn Saitoは、「独自のシソーラス(語彙表)」を作成することにより、斬新な書き方を見つける独自のシステムを考案しました。言葉のブレインストーミングを行い、テーマ別のカテゴリーにグループ分けすることで、新しいライティング形式が生まれました。同様の方法を使用することで創造性が高まり、繰り返しのような作業を感じず文章を書くことができます。これにより、ワイヤーフレームを作成するたび、新鮮なコピーを使用したデザインが誕生します。

John Saitoのテクニックをご覧ください。 John Saitoのご厚意により掲載。 John Saito

他には、競合他社が同様の問題に対してどのように取り組んでいるのかを知り、人を惹きつけるような魅力的なコピーテキストで問題解決に導きます。質問やチェックアウトのフローをデザインしている場合、他のデザイナーがどのようにコピーを使用して、ユーザーを誘導しているのかを知ることは非常に有益です。その中でパターンを見つけ、何が自分のデザインで機能するのか見極めることができます。

再現可能なシステムを構築する

デザインシステムにより、大規模な制作チームは比較的簡単に製品のデザインや開発の拡張が可能になりました。通常、ブランディングまたはサイトのリデザインの最後に、スタイルガイドや再利用可能なリポジトリが構築されます。デザイナーがブランドの視覚的要素をドキュメント化するのを注意して行うように、ライティングのドキュメント化も重要です。 これらのガイドラインは、新しい構想全体に対して一貫性を保ち、その後のライティングを容易にします。 大規模なライティングガイドラインの優れた例は、 Shopify's Polarisのフレームワークです。このガイドラインでは、「グレイド7(12歳)の読書レベルで書く」方法、また「ブラックフライデー サイバーマンデー」の適切な書き方の概要を示しています。文法、語彙、トーンを通じて適切なライティングを定義することで、常にブランドにまとまりを感じます。

Shopifyのライティングガイドラインには、「すべきこと」「すべきではないこと」が明示されています。

Zendeskなどの他の企業も、ライティングガイドラインの作成するため同様のやり方を採用しています。ZendeskのBrandland のフレームワークでは、自社の製品をより人間らしくする方法を述べています。非常に高い誓約や複雑な専門用語を避け、簡潔で短いライティングにします。またライティングのトーンに、より簡潔、反対により親しみを感じさせるタイミングを定義する「Mild to Spicy」があります。

Zendesk トーンと音声の表

どのデザインシステムにも異なる目的があるため、それぞれのライティン方法をドキュメント化することが何よりも重要です。そうすることで、自分だけに限らずチームメンバーも、素早く改善を行い、魅力的なライティングを使用してデザインを行うことができます。

包括的なライティング

全てのユーザーにとって親しみやすいものにするには、アクセシビリティとグローバル化を考慮してライティングを行う必要があります。どのユーザーも簡単に操作できるように、イディオムやスラング、複雑な文章構成を避けます 。これにより、障害のあるユーザーやグローバルユーザーにも明確になります。適切でよく考えられた代替テキスト などの考慮は、スクリーンリーダーを使用してサイトを閲覧するユーザー体験をさらに向上することが可能です。 Mailchimpのライティングガイドラインのライティングガイドラインには、アクセシビリティのための優れたライティングと、デザインとライティングを両立させる翻訳について書かれています。

Mailchimpのコンテンツガイドラインは、アクセシビリティと翻訳に重点を置いています。

今後のUXライティング

ユーザーが望む可能な限りシームレスで直感的なデジタル体験が一般的になりつつあります。音声認識デバイス、チャットボット、アプリのようなモバイル体験が今では主流になりました。シンプルで明確な体験に対する高まる需要に対応するため、優れたUXライティングの重要度が注目されるでしょう 。結果、デザイナー、ライター、コンテンツストラテジストはこれまで以上に密接して連携し、包括的で拡張性の高いライティングを構想すると思います。次にデザインプロジェクトを始めるときは、プロセスの早期段階でUXライティングの統一化を検討し 、デザインの視覚的コンポーネントと同様、リサーチ、繰り返し改善を行う時間を確保しましょう。