STUDIOで作られたサイトを讃えるデザインの祭典、STUDIO DESIGN AWARD 2020。昨年末に候補作を募り、一般投票・STUDIOチームによる審査を経て、ついに12の賞に輝く作品を決定いたしましたのでお知らせします。STUDIOグランプリsatoruiwashita.design - 岩下智STUDIO DESIGN AWARDの初代グランプリは、作品一覧と詳細ページのみのシンプルな構成で最大の驚きを届けてくれた、 岩下 智さんのポートフォリオサイト「satoruiwashita.design」です。バラバラに動くスロットのような構成でカテゴリの垣根を低くし、各作品のカバー写真のみで表現したトップページは、STUDIOを深く理解しているからこそ作り出せる表現で、訪問者は全体像の見えない作品群の中をワクワクしながらさまよう体験ができます。Webサイトという枠に囚われず、岩下さんのデザイナーとしての持ち味「発想のおもしろさ」をよく体現したポートフォリオとなっています。 STUDIOの新たな可能性を見せ、ツールとしての魅力をも発信してくれているこのサイトを、67のノミネート作品を勝ち抜いたグランプリとして選出いたしました。ソーシャルいいね賞まつもとコーポレーション採用情報サイト - 西田伊槻楽しい仕掛けを多用し、サイトのオーナーにもとても愛されるサイトです。最多の1245いいねを獲得し、見事ソーシャルいいね賞獲得となりました。ブログ・メディア賞OMVE - 大島賢一「浅草」をテーマに、人と街が見せる様々な表情やそこに流れるローカルな空気感をとてもうまく切り取り、Webに落とし込んだ作品です。奇をてらわず、素直に写真・文章・レイアウトの質の高さを追求することで、通常のメディアでは味わえないような高級感・奥行き感を持ったサイトに仕上がっています。それぞれの記事内容・写真の統一感からも信念が感じられ、メディアとして読み応えがあります。 「この空気感を味わいに浅草へ行きたい」と思わせる力強い魅力を持ったこのサイトを、ブログ・メディア賞に決定しました。ポートフォリオ賞畔上陽一 Yoichi Azegami ポートフォリオサイト - 畔上陽一余計な装飾のない素直な構成ながらも、掲載作品の写真とサイトのデザインが引き立てあうバランス感が抜群で、「作品を紹介する」というポートフォリオ本来の役割を最もうまく果たしているサイトでした。背景に真っ白ではない白を使うことで、Webサイトながらも高級紙のような質感が伝わってきます。 シンプルな中にも、下層ページに至るまで細やかな気遣いが感じられ、見る人のことをよく考えて作られた素晴らしいポートフォリオだと感じました。コーポレート・サービスサイト賞47ホールディングス株式会社 コーポレートサイト - 47ホールディングス株式会社グリッドレイアウト風のカラフルで華やかなファーストビューにまず目を引かれますが、見た目が華やかなだけでなく、訪問者を飽きさせずに情報を伝える的確な設計がなされており、見れば見るほど引き込まれるサイトでした。 随所に配置されたイラストも効果的で、働いている人の様子を柔らかに連想させ、事業の魅力を効果的に伝えることができていると感じます。CMSやRSS、SNSへのリンクなど、外部コンテンツとの繋がりも明瞭で、今後メンバーが運用していくこともきちんと考えられていることが想像できました。この部門には特に素晴らしい作品が多くノミネートされていましたが、関わった方々の「会社の魅力を伝えたい」という思いが最も真っ直ぐ伝わってくるこのサイトを受賞作とすることに決定しました。店舗・商品サイト賞おんせん県いいサウナ研究所ポータルサイト - 渡邊麻依 / 花澤早紀(株式会社LIG) 壁画風の線画イラストと自然をたっぷり写した写真を使い、気取らないトーンで大自然の中に点在するサウナの魅力を伝えています。親しみやすいトップから雑誌をめくるような感覚で各サウナのページを開くと、サウナの温度や細かい施設情報など、利用者の知りたい情報がしっかり詰まっています。特に詳細ページはスマホ画面から見たときにすっきり必要な情報が伝わるようにデザインされており、実店舗を扱うサイトとして出先で利用する訪問者のことを考えた、よいサイトだと思います。イベントサイト賞2020年度 学習院中・高等科鳳櫻祭 - Shunsuke KUDO学園祭のサイトとして必要な情報設計がきちんと行われた上で、大胆な色使い・レイアウトのビジュアルが採用されており、「学生が自分たちの手で作り上げる」学園祭というイベントにふさわしい、型にはまらない大きなエネルギーを感じるサイトでした。ただの告知サイトに止まらず、学園祭に関する最新情報やWeb限定コンテンツ等も見受けられ、イベントの一部として生きて運用される設計思想を高く評価しました。 今まで学園祭のWebサイトを学生が作るということは一般的ではありませんでしたが、これからの学園祭のあり方、学生にとってのSTUDIOというツールの意味合いを拡張してくれる、素晴らしいWebサイトでした。日本デザインセンター賞2020年度 学習院中・高等科鳳櫻祭 - Shunsuke KUDO デザインの良さはもちろんですが、STUDIOというツールが世界をどんな風に変えていったら幸せか。ということをポイントに候補案を拝見しました。STUDOのすばらしさは、WEBを民主化することにあると思います。特別な技術や知識がなくても(例えお金がなくても)「伝えたいこと」さえあればだれでもすてきなWEBが作ることができる。それを最も体現しているのが鳳櫻祭2020のサイトだと思いました。デザインの点でも地図の案内の隅々にいたるまでトーンアンドマナーが行き届いており、伝えたいことも明快。タイムテーブルなど更新性を要するコンテンツもSTUDIOの機能を使って効果的に作られています。言葉も最終階層まで丁寧で、きっとすばらしい学園祭が行われたのだろうなあと想像してしまいました。ーーー日本デザインセンター 長瀬香子さん・松本潤さんD4V / IDEO 賞株式会社まつもとコーポレーション 採用情報サイト - 西田 伊槻「STUDIO DESIGN AWARD 2020」のノミネート作品67点、全て非常に楽しく拝見しました。ウェブサイトはかつて、専門知識のあるデザイナーだけがデザインできるものでした。しかしSTUDIOは、専門知識のない人でも作ることができる日本発のノーコードサイト制作ツールとして多くのユーザーの心をとらえたのです。デザインはデザイナーだけのものだけではない、誰にでも手がけられるものだという時代の到来を象徴するかのような作品が多く見受けられました。D4Vは、そうした中でも「STUDIOでこその表現力」「ユーザーを意識したサイト作り」という観点を重視し、本作品を選びました。 ホバーアニメーションを使い、写真とイラストレーションをうまくミックスすることでアットホームな会社の雰囲気を表現することに成功していると感じましたし、まつもとコーポレーションで働く方々の生きいきとした姿もダイレクトに伝わってきました。ウェブサイトを訪れる側の目線からも、採用サイトに応募者が求めている情報(動画を通じて感じられる会社訪問時の雰囲気や、親しみ・共感をおぼえるデザインを用いたクロストークコンテンツなど)が充実している点も評価に値すると思います。 今回の「STUDIO DESIGN AWARD 2020」を通じ、多くのユーザーが STUDIOというツールに対してより大きなポテンシャルを感じたのではないでしょうか。67点に及ぶ応募作品を拝見し、私たちもそう感じました。STUDIOのさらなる発展を期待するとともに、STUDIOユーザーの皆さまが、さらに素晴らしいデザインを手がけられることを心から応援しております!ーーーD4V 高橋 亮さんTHE GUILD 賞一行文庫 - 岩下智Goodpatch 賞デザイナーキャリアの罠診断 - 井上辰徳 STUDIO DESIGN AWARD 2020、ノーコードの威力を見せつけられたサイトでした。 今回は5つのカテゴリに分かれており、STUDIOだけでこんなにも多様な体験を提供することができることに驚きました。 GoodpatchでもReDesigner MagazineやGoodpatch AnywhereのサイトをSTUDIOで作っていますが、その効果を実感しています。今回は、STUDIOを使った多様な体験を提供できている作品を選定基準にさせていただきました。 今、私たちが見ているこのキャンペーンサイト自体も、STUDIO活用における体験の可能性を拡げている一つかなと思います。そして今回ピックアップさせていただいたのは、サイバーエージェントさんのデザイナーの方が作られた「デザイナーキャリアの罠診断」。 実はこの企画、オフラインで会場で実際に展示されていたものをSTUDIOを使ってウェブ上に再現したもので、実際に体験したことがありました。 コロナ禍でオフラインでのイベントが実施できない中、たった半日でウェブ上に同じ体験を再現することができるSTUDIOの可能性、そしてオフラインのインタラクティブコンテンツを即時にデジタル体験として実現させた井上さんを表彰させていただきます。 スマートフォンで操作した時のサクサク感もいいですね!是非皆さんも体験してみてください。ーーーGoodpatch 佐宗純モリサワ 賞typo - 田中ヤスヒロこの度は「STUDIO DESIGN AWARD 2020」に企業賞で参加させていただき、ありがとうございます。ノミネートサイトを拝見して、定番書体から新しい書体まで、多くのサイトでモリサワフォントをお使いいただいていることを大変嬉しく思っています。賞の選定にあたっては、サイトの中で文字や書体が担う役割に注目しました。「typo」はコピーライターさんのサイトということもあり、テキストと線だけで構成するコンセプトに潔さを感じました。トップページでさえ画像が無く、太いウエイトのキャッチコピーが目に飛び込んで思いを訴えかけてきます。サイト全体の書体を「A1ゴシック」とすることで、ニュートラルでありながらも無機質になり過ぎず、どこか人間味のある雰囲気が演出されています。文字サイズやウエイトの使い分け、テキスト量や余白の調整具合など、文字を主役に据える工夫が随所に見られて、作者の方のこだわりを感じました。ーーーモリサワ 吉野誠さん・阪本圭太郎さんスタッフ一同、このアワードを通してSTUDIOサイトの表現の幅が加速度的に広がっていることを確信することができました。未来を垣間見るような素晴らしい機会を持てたことにとても感謝しています。次年度のデザインアワードへの更なる期待を胸に、STUDIO DESIGN AWARD 2020を閉幕といたします。ご協賛いただいた企業の皆様、ご応募いただいた皆様、そしてノミネート作に投票・拡散いただいた皆様、誠にありがとうございました。